Global trends in drug development using alternatives to animal testing
近年,医薬品開発における成功率の低下や開発コストの高騰が指摘されており,創薬力の向上に向けて,ヒトに対する予測性の高い有効性・安全性評価の確立が求められている.従来,非臨床試験では主に動物試験を用いて評価が行われてきたが,臨床試験や市販後に予測困難な有害事象が報告されており,ヒト外挿性の向上が課題となっている.このような背景のもと,ヒト細胞モデルやインシリコ解析などの新たなアプローチや方法論(New Approach Methodologies:NAMs)の活用が国際的に注目されており,動物実験の3Rs原則(Replacement,Reduction,Refinement)にも貢献すると期待される.そこで本稿では,NAMsの国際および国内の規制動向を概説するとともに,ヒト細胞を用いた各臓器毒性評価法の開発について紹介する.心毒性では,ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いた収縮評価系により,慢性曝露による心収縮障害の予測が可能であることが国際検証試験により示され,抗がん薬の心毒性評価への応用が期待される.神経毒性では,ヒトiPS細胞由来神経細胞やラット皮質神経細胞と多点電極アレイシステムを組み合わせた評価系により,痙攣リスクの検出感度の向上が報告されている.さらに,肝毒性においては,三次元培養やヒト肝キメラマウス由来肝細胞を用いた評価系により,薬物性肝障害リスクの予測精度の向上が示唆されている.NAMsの規制活用に向けては,使用方法と目的(Context of Use)に基づく適格性評価や再現性・信頼性の確保が重要であり,各国で制度整備が進められているものの,国際的な整合性は十分ではない.今後,in vitro試験やインシリコ解析を統合したWeight of Evidenceの考え方に基づき,各NAMsの再現性,予測性および適用範囲を科学的に検証することにより,ICHガイドラインの改定や国際調和の進展が期待される.
Authors
- Yasunari Kanda (ORCID: https://orcid.org/0000-0003-2527-3526)
- Hiroyuki Kawagishi (ORCID: https://orcid.org/0000-0001-7622-341X)
- Shota Yanagida
Institutions
- National Institute of Health Sciences (LK)
Publication Details
- Journal
- Folia Pharmacologica Japonica
- Published
- 2026-08-31
- DOI
- https://doi.org/10.1254/fpj.26042
- Primary Topic
- Animal testing and alternatives
- Type
- article
- Field-Weighted Citation Impact
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